グラミチの短パンといえばGショーツ、STショーツ、NNショーツの3種類が鉄板でしょうか。3着とも持ってるのでせっかくだから実物比較してみます。すべてSサイズです。
比較項目は以下の3つ。
1.丈や幅などのシルエットの違い(着画あり)
2.素材、生地
3.その他
ちなみにNNショーツは普通の素材ではなく、夏向けのストレッチウェザーという素材。そして全然着てないため未洗濯の新品状態です。GショーツとSTショーツは定番の素材で、昨年買ってたくさん着ました。
1.シルエット
※左からGショーツ→STショーツ→NNショーツ。
先にざっくりと大きさの違いをまとめると以下の通り。
丈…Gショーツ≧STショーツ>NNショーツ
幅…Gショーツ>STショーツ>NNショーツ
公式サイトの画像や股上股下の合計値を見る限り、丈はSTショーツがいちばん長いはずなんですけど、着用と洗濯を繰り返すうちにGショーツのほうがちょっぴり長くなったか、ほぼ変わらないぐらいの丈になったようです。そしてNNショーツは一度も洗ってないから縮んでいないはずなのにいちばん丈も短く幅も狭い。
・Gショーツ(S)…股上24cm+股下22cm=総丈46cm
・STショーツ(S)…股上24cm+股下24cm=総丈48cm
Amazonより
下からGショーツ→STショーツ→NNショーツを重ねてみました(半分に畳み、上と右端合わせ)。
GショーツとSTショーツの丈は大差ないように見えますが若干Gショーツのほうが長い。またお尻周りも裾幅もGショーツのほうが太いです。NNショーツがいちばん短く細いのは一目瞭然ですね、洗濯して縮むともっと差が出そう。
丈…Gショーツ≧STショーツ>NNショーツ
幅…Gショーツ>STショーツ>NNショーツ
改めてまとめると「Gショーツが長く太い、NNショーツが短く細い、STショーツがその中間」ってことですが、GショーツとSTショーツの丈は大差ないと思います。個体差の影響もあるでしょうし。
着用画像でサイズ感を比較
※163cm/60kg/すべてSサイズ。トップスはラコステの長袖ポロシャツ(サイズ2)
左からGショーツ、STショーツ、NNショーツの3種類の着用画像を並べてみました。GショーツとNNショーツは印象がかなり違いますね。横から見るとNNショーツのムチムチ感がすごいです。
GショーツとSTショーツの丈はほぼ変わらないはずですが、画像ではGショーツのほうが長く見えます。これはやや上から撮影してるせいですね。Gショーツは裾幅がある分、長めに見えてる。人の目線の高さを考えると、実際の見え方に近いかも。
各ショーツのサイズ感は以下の記事でトップスを変えて撮影したりしてます。私はGショーツがいちばん好き。
2.素材、生地
・Gショーツ(ネイビー)…ツイル素材、コットン100%
・STショーツ(カーキグレー)…ストレッチツイル素材、コットン98%/ポリウレタン2%
・ウェザーNNショーツ(パープル)…ストレッチウェザー素材、コットン98%/ポリウレタン2%
写真では伝わりにくいと思うんですが、Gショーツはガシガシとタフな感じ、STショーツはヌメッと滑らかな感じ、ウェザーNNショーツはカサカサした感じの素材です。触った感じロングパンツのNNパンツとSTショーツの素材は同じっぽいので、普通のNNショーツはSTショーツと同じでヌメッとしてるはず。
厚み:ストレッチウェザーは軽やかで夏に重宝しそう
生地の厚み順に並び替えると以下の通り。
Gショーツ>STショーツ>ウェザーNNショーツ
ストレッチウェザー素材は涼しそうで夏には重宝しそう。薄いし軽やかな感じ。
昨年の夏はGショーツとSTショーツで乗り切ったのでウェザー素材が絶対に必要ってわけじゃないんですが、「普通の短パンよりもっと涼しい短パンがほしい」って場合はストレッチウェザー素材も検討の価値はありそう。
ただ私はやっぱりGショーツのコットン100%が好き。ストレッチはなくともゆったりとしたシルエットで動きやすいですし、ヘビーデューティーでいちばん穿き込みがいがある素材だと思ってます。ポリウレタン不使用で劣化の心配がないのもいいところ。最近ストレッチ素材嫌いなんですよね、なんかわからないけどストレッチに頼るのが悔しいのだ。
以下の記事はGショーツの経年変化について。
ポリウレタンが劣化するとストレッチが効かなくなる可能性がある
STショーツとウェザーNNショーツはストレッチ素材なので細身のシルエットでも動きやすいです。しかし代わりにポリウレタンを使用しているためいつかは劣化する運命です。何年もいい状態で使い続けたいならコットン100%のGショーツがいいと思います。
ちなみに以前グラミチに「NNパンツのポリウレタンが劣化した場合どうなるか」を問い合わせたところ、ポリウレタンが劣化した場合「ストレッチ性が損なわれる可能性がある」との回答をいただきました。
つまりポリウレタンが劣化したとしても穿けなくなるわけじゃなさそう、ストレッチが効かなくなって動きづらくなるでしょうが。また「ポリウレタンの劣化は一般的に3〜5年ですが、それ以上長く穿いても問題ない場合もある」とのことです(逆に短くなることも)。
(丁寧に対応してもらってとても好印象でした)
3.その他の違い(ファスナーとウェビングベルト)
↑Gショーツ(ネイビー)、STショーツ(カーキグレー)、ウェザーNNショーツ(パープル)
まず大きな違いはファスナーの有無です。上の画像を見るとわかりますが、ネイビーのGショーツのみファスナーがありません。
だからデパートのトイレで立ちションするときはベルトを緩めてウエスト前側をズラして事に至ります。私はファスナーがあろうがなかろうがいつもこのスタイルでやっているので特に不便は感じてませんが、お股の窓からしたい場合Gショーツは不向き…というより不可能です。
またファスナー付きの短パンと比べると少し着脱しにくく、着脱の際に若干お尻に引っかかる感じがあります(穿いてしまえば動きやすい)。ちなみに私は163cm/60kgの標準体型でSサイズを着用してますが、まあ問題ないです。
そしてGショーツのみベルトの構造が違います。
STショーツとNNショーツはバックルが左右に分かれる構造で、形は違えど一般的なベルトと似たようなものです。一方でGショーツのベルトは一体化してるといいますか、リュックのショルダーと同じような構造になってます。Gショーツはファスナーがないからバックル部分が左右に分かれる必要がないんでしょうね。どちらのベルトも使いやすく文句はありません。
※「Gショーツのベルトが違う」より「STショーツとNNショーツのベルトが違う」と言ったほうが正しいかもね。オリジナルはGショーツだろうから
ベルトの素材もGショーツだけ違います。Gショーツのベルトは目が細かく滑らかな感じで、例えるならシートベルトっぽい。STショーツとNNショーツは粗い感じ。あと細かいことですがウェザーNNショーツはベルトの色が違いますね。普通の素材のNNショーツの画像を見るとベルトは黒なので、ウェザー素材の場合だけ本体に合わせてベルトの色も変わるっぽいです。
1970年代、アメリカで“ストーンマスター”と呼ばれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州ヨセミテのロッククライミングをリードしてきた一人のロッククライマー、 マイク・グラハムが、当時のクライミングウェアでは満足できず、独自の手法で機能性に富んだウエアづくりに着手。1982年、カリフォルニアの小さな倉庫でブランド「GRAMICCI(グラミチ)」を立ち上げた。
その中で生まれた「グラミチパンツ」と「グラミチショーツ」がヒット。これらのアイテムには独特の機能性、 180度自然な開脚を可能にした「ガゼットクロッチ」や片手で簡単に調節できる「Webbingベルト」が装備されている。
GショーツはSTショーツやNNショーツと比べてクライミングの機能が色濃く残っていて、日常生活では少し不便が伴いますね。主にトイレと着脱で。ただ不便といっても大した問題ではなく、超がつくほどめんどくさがり屋の私でも愛用できてるぐらいですから、だいたいの人は問題ないと思います。
グラミチ短パン3種類「Gショーツ/STショーツ/NNショーツ」の比較まとめ
グラミチの短パンの違いをかんたんにまとめると、
・丈…Gショーツ≧STショーツ>NNショーツ
・幅…Gショーツ>STショーツ>NNショーツ
・STショーツとNNショーツはポリウレタンが使用されてるため数年で劣化する可能性がある
・Gショーツのみファスナーが無く、ウェビングベルトの構造が違う
こんな感じですかね。
私は素材も形もGショーツがいちばん好きです。グラミチの始まりはロッククライミングですんで、やっぱりロッククライミング向け機能が色濃く残ったGショーツはかっこいいし、バブアーのビデイルやディッキーズの874など歴史があってヘビーデューティーな服が好きな私はやっぱりGショーツがいい。コットン100%のタフな質感もいいし、穿き込むごとに経年変化していくのも楽しい。
次に好きなのはSTショーツ。太くも細くもない普通の短パンという印象で、だから使い勝手がいいのかなと感じてます。Gショーツほどタフな雰囲気ではないので、品よく着やすい。
最後にNNショーツ。コイツだけだけは何があっても絶対に二度と買いません。なぜなら私の体型には細すぎて太ももがパツパツで見苦しく、さらに太ももの露出も多くて恥ずかしいから。サイズを上げれば解決しますが、そこまでするなら最初からSTショーツでいいし。NNショーツはスラッとした方にはいいでしょうが、そうじゃないならGショーツかSTショーツが無難だと思います。
グラミチについては以下の記事も面白いですよ。ブルース・リーの映画を見て180度開脚できるガゼットクロッチを思いついたとかなんとかって。