バブアーの古くて汚いビデイルを買ったので現状把握と修理計画【ビンテージ/2ワラント/4つポケット】で書いたようにボロいビデイルを買いました。オイル抜きや破れの補修などやるべきことはたくさんあるのですが、その前に現行のビデイルSLとの比較記事を書いておきます。わざわざ現行のビデイルSLと2ワラント時代のビデイルの違いを知りたい人はいないでしょうが。
以下の表は基本情報をまとめたものです。
ビデイル | ビデイルSL | |
サイズ | 38 | 36 |
色 | セージグリーン? | ネイビー |
製造年 | 1985~1986 | 2019 |
ワラント数 | 2 | 3 |
情報といっても大したことではなく、こんな個体同士を比較するよって話です。ちなみにビデイルSLはビデイルを現代向けにサイズ感を調節したモデルで、乗馬用のギア的要素が薄まったモデルです。またビデイルは古いですが、内ポケットの紙タグが残っていたことから、洗濯などされていないと思います(ほんとのところはわかんないけど)。そしてこの時代のビデイルはサイズが少し小さめらしい。
※私が見て触って気づいた違いしか書いてないし個体差の可能性もあります
大きさ、サイズ
重ねて撮影しました。上がビデイルSL(36)、下がビデイル(38)です。そもそもサイズが違うので大きさを比較することに意味があるのか微妙なところですが、古いビデイルはサイズが小さめらしいので、まあ一応ね。
裾は同じぐらい。
身幅はビデイルSLのほうがスリム。
腕もビデイルSLのほうが細い。
全体像はこんな感じ。
ビデイルSLのほうが1サイズ小さいにも関わらず着丈の長さが変わらなかったので、ビデイルSLは細長なシルエットなんでしょうね。
着てみるとこんな感じ。ポケットに手を突っ込んじゃってて違いが分かりにくいですね。
臭い
現行ビデイルSLは新品で購入して1年ほど経過しましたが、まったくの無臭です。1度も臭いが気になったことはありません。一方でビデイルは強い臭いを発していて、保管してる部屋に臭いが充満しています。
使用しているオイルやワックスの違いなのか、ビデイルSLも30年経つと同じような臭いを発するようになるのか…わからないけれどなかなか強烈。嫌いじゃないけど。
ポケット
胸のポケットが違います。現行のビデイルSLは斜めに付いている&内部は起毛したようになっていて、手を暖めやすい構造になっています。一方でビンテージビデイルはフラップポケットになっていて、比較的ワークとかミリタリーとかハンティングっぽさがあるような。通称フラポケや4つポケなんて言われてるらしく、このディテールはだいたい80年代のものまでの仕様だそうです。
ビデイルSLを毎朝の犬の散歩で着て感じましたけど、ハンドウォーマーポケット便利なんですよね。わざわざフラポケビデイルを買う必要があったのだろうか。
腰辺りのポケットはこんな感じ。ビデイルSLは裏地にチェックの生地が使われてますが、ビデイルは表の生地と同じく無地のオイルドコットン(ワックスドコットン)っぽい感じ。
ビデイルSLはオイルドコットンに重ねてチェックの裏地を付けてるのかな。ビデイルはその裏地がないからオイルドが露出してしまってる。
内ポケットとタグ
どちらにも内ポケットはついてるんですが、微妙に違います。まずビデイルSLは左胸、ビデイルは右胸についていて、位置が左右逆です。左胸に内ポケットがあったほうが右利き的には使いやすそう。
あとタグですね。「BARBOUR CARE」と書かれたタグのデザインが違います。文字は確認してませんけど。またポケットをめくるとついてる小さなタグは内容もさることながら、素材が違います。ビデイルは紙なので、洗うと取れちゃうらしいです。紙タグが残ってるということはまだ水を通して洗われたことがない個体だと推測できます。
細かいところだと、ポケットの角の処理が違う。ベージュがSL。
大きさも違う。
袖口のリブ
ビデイルよりビデイルSLのほうがしっかりとしたリブがついてます。縞も太くて厚みもある。ビデイルは古いから生地が弱ってるのもあるでしょうが、それを差し引いてもビデイルSLのほうが暖かそう。
襟のループ
形状も大きさも違いますし、ビデイルSLはチェック柄っぽいですが、ビデイルは単色です。
ライナーを取り付けられるか
ビデイルSLには保温力をアップさせるライナーを取り付けられるように、ファスナーやスナップボタンがついていますが、ビデイルにはありません。
ビデイルSL(ベージュチェック)には本体の前を閉めるファスナーとライナー用のファスナーがそれぞれついてますが、ビデイル(緑チェック)は本体用のファスナーのみです。
ビデイルSLのタグの上あたりにスナップボタンがありますが、ビデイルにはありません。
タグ
襟辺りのタグのデザインが違います。現行ビデイルSLは3ワラント、ビンテージビデイルは2ワラントです。あとは分かりやすいのはモデル名「BEDALE」が入ってるかどうかやネームタグの有無かな。そもそもタグの位置も違いますね。ビデイルSLのほうが高い位置についています。
あとビデイルSLは刺繍で、ビデイルはプリントっぽい。
裏地のポリエステル
下半分の裏地はコットンではなく化学繊維が使われています。ビデイルSLはポリエステルだと明記されてましたが、ビデイルは素材がはっきりとしません。
ビデイルもポリエステルっぽい気はしますが、だとしても見た目や触った感じに違いがあります。ネイビーのビデイルSLのほうがガッシリしてるというか、頑丈そうな手触り。ビデイルは柔らかくて、比較的滑らかな感じ。
ポリエステルかなあ?ナイロンの気がしないでもない。わからん。内ポケットのタグに素材が書いてあるけど、コットンとしか書いてないし。このショップでバブアーのオーバーパンツが掲載されていて、ビデイルと同じ素材表記で「内装はおそらくポリエステル」ってなことが書いてるから、やっぱりポリエステルなのかも。
サイドベンツのボタン
おしり辺りのサイドベンツのボタンの大きさとデザインが違います。
ビデイルSLのほうが大きくて、「Barbour」と入ってます。
一方でビデイルは小さめのボタンで文字はなにも入ってないシンプルなデザイン。
チンストラップ
チンストラップが微妙に違います。ビデイルSLはボタンが1個ですが、ビデイルはボタンが2個ついてます。
ビデイルSLはチンストを閉めるとき用のボタンと収納時のボタンは兼用なんですが、ビデイルはそれぞれ別のボタンです。だから数が違うし、収納時の形状も少し違う。ついでにボタンの大きさも違う。
現行ビデイルSLと2ワラントビデイルの違いまとめ
シルエットからボタンの大きさの違いまで書きました。思ってたよりも細かい違いがありましたし、現行のほうがアップデートされてるだけあって使いやすそうに感じました。内ポケットの位置、ポケットの裏地や袖口のリブ、そしていちばんはハンドウォーマーポケット。
ビデイルが発売されたのが1980年なので、今回購入した2ワラントビデイルは発売から5~6年しか経ってないですもんね。この4フラップポケット仕様のビデイルより現行のハンドウォーマーポケット付ビデイルのほうが歴史は長いですから、そりゃ現行のほうが道具としての完成度は高いか。乗馬用ジャケットとしての使い勝手はわかんないし、人によっちゃ4つポケのほうが便利かもしれないけど、ビデイルSLを1年着た身としてはハンドウォーマーポケットは冬の散歩の強い味方でした。