このたびアイスブレーカーのメリノウールTシャツを購入しました。テックライトロングスリーブポケットクルーってやつです。Tシャツに1万円以上出したのは人生で初めてで、かなり勇気のいる決断でした。
用途は普段着が中心で、たまにする登山や自転車でも使おうと思ってます。
一般的にメリノウールを使用した衣類は高価ですが、実は安価な衣類も存在します。たとえばユニクロのエクストラファインメリノセーター。以前はこいつを素肌の上に直接着て下着として活用していました。耐久性も優れており素晴らしい服です。最近ではワークマンからもメリノウールの製品が出てるようで、このように実は身近に買いやすいメリノウール製品はあります。
一方で今回購入したアイスブレーカーのTシャツは1万円オーバー。私からすれば高級品。ユニクロのセーターは3000円ほどで購入できるので、価格差は3倍以上です。しかもすでにユニクロのメリノウールセーターを何枚も持ってます。それでもアイスブレーカーを買いました。色々考えた結果、やっぱり餅は餅屋。メリノウールはメリノウールを得意とするブランドがいいなとの結論に至ったんです。
この記事ではアイスブレーカーの購入に至るまで色々悩んで考えたことを書き残そうと思います。記事が長くなっちゃったので、2記事に分けて書いてます。この記事は前編で、「そもそもメリノウールTシャツがほしくなったきっかけ」と「1万円以上する高価なメリノウールTシャツを買おうと思えるようになるまでの過程」のお話。
↓後編
メリノウールのTシャツが欲しくなったそもそものきっかけ
そもそもメリノウールTシャツをほしくなったのにはきっかけがあります。
1.メリノウールの良さを知っているから
2.肌が弱いからより上質なものを
3.夏が嫌いだから快適に過ごせる服がほしい
ほかにも厚着せず暖かく冬を過ごしたいとか、自転車や登山などのアウトドアスポーツでも使いたいという気持ちもあったんですが、主なきっかけは上の3つ。
1.メリノウールの良さを知っているから
1つはメリノウールの良さを知っているから。もうメリノウール以外の靴下は買わないと決めた理由(たぶん)〜履き心地的にはコットン素材より当たりが多いんだ〜で書きましたが、やっぱりメリノウールの靴下って履き心地がいいんですよ。とくに蒸れないのがとてもいい。
また素肌の上から直接ユニクロのメリノウールセーターを1年中着まくってたことがあります、家でも街でも登山でも春夏秋冬メリノウールセーターだけで乗り切ってました。夏は涼しく冬は暖かいと言われているメリノウールの力のおかげか、夏は少し快適だったし、冬も例年より過ごしやすかった気がします。
そしてずーっと何ヶ月もメリノウールセーターを着て、かなり久しぶりに綿100%のTシャツを着た瞬間に感じたんです。「あれ、着心地悪くない?なんか蒸れるな」って。綿100%はポリエステルなどの化学繊維と比べて着心地がいいとされることが多いと思うんです。なのに着心地が悪かった。つまりそれぐらいメリノウールが着心地に優れた素材ってこと(だと思った)。
その後好きな服を着たくてメリノウールセーターからは一旦離れることになるんですが、しばらくするとメリノウール靴下の快適さにハマり、いまではTシャツやパンツのように肌に直接身につけるものの快適性まで追い求めたくなったというわけです。
2.肌が弱いからユニクロより上質なものを
「ユニクロのメリノウールセーターが快適だったんならそれでいいじゃん。安いし」
という意見はごもっとも。だけどユニクロじゃダメだ。私は生まれつき肌が弱くてよく痒くなるんです。だから肌に直接触れるものはより上質なメリノウールを使用した服を着たい。つまりより細い糸を使った服がいい。
一般的なウールは肌に触れるとチクチクして痒くなりがちです。ハイランド2000のニット帽やロスコのウールブランケットなんかははっきりとチクチクを感じ、それをきっかけに全身痒くなることがあります。
一方でメリノウールは繊維が細いからチクチクしにくいのがいいところ。そしてそのメリノウールのなかでもより細くチクチクしにくい上質なものがある。たとえばユニクロのメリノウールセーターはAmazonブランドのメリノウールセーターよりチクチクしません。これは実際に着て感じたことです。
自分で認識してる限りは化学繊維で肌が荒れた経験がないので、そこまで上質なメリノウールでなくてもいいっちゃいいんです。ユニクロのメリノウールでチクチクしたこともないしAmazonブランドでもチクチク感じたのは最初だけですぐに慣れたから。
だけどユニクロのメリノウールがチクチクするという意見を聞いたことがあるし、「もしかしたら肌が弱いがゆえにチクチクを感じ取れていないだけで、ほんとうはダメージを受けてる」という可能性もあるから、ユニクロ以上の上質なメリノウールを使用したTシャツがほしい。
あとはユニクロのセーターを夏に着てたら「それ秋冬用のやつ?」って聞かれたこともあるのと、単純にユニクロじゃなくてもっと好きなブランドの服を着たいから。そのほうが楽しい。
3.夏が嫌いだから快適に過ごせる服がほしい
これまで嫌いな夏は我慢して過ごしてきました。わざわざ嫌いな夏のためにお金をかけて服を用意したくなかったからです。夏でも長袖長ズボンが基本でたまに半袖。でも今年はさすがに暑いってことでグラミチの半パンを用意したところ、けっこう快適になりました。
そこで来年の夏は上半身も快適にしたい。嫌いな夏を我慢するのではなく、衣服を工夫して快適に過ごそうと。そこで白羽の矢がたったのが夏は涼しく冬は暖かいメリノウールTシャツ。ユニクロのメリノウールセーターで夏を少し快適にしてくれたのは経験済みだし、セーターではなくTシャツならデザイン的にも使いやすい。
メリノウールには防臭効果があるから朝一番に犬の散歩で汗をかいてもずっと汗臭くならないし、綿と比べて乾きも早い。さらに汗冷えしにくい性質を持ってるから、いきなりエアコンのきいた部屋に入っても寒くなりにくい。冬にびちょびちょに濡れた綿100%とメリノウール100%を触り比べるとはっきりと違いがあります。メリノウールの方が冷たくない。
とはいっても高価だから悩む
メリノウールTシャツがほしいといっても高いから悩みます。ユニクロやワークマンは安いですけど、もっと質の高いものがほしいから1万円以上の出費も覚悟しなきゃならない。靴なら出せる値段だけど、Tシャツ1枚に1万円はパッと手が出ない。
でもいろいろ考えているうちに、1万出してもいいかなと思えるようになりました。
→防臭効果があるからたくさん揃える必要はない
まずメリノウールにはこまめな洗濯が不要なので、たくさん枚数を揃える必要がないということ。防臭効果があるので数日間連続で着用できるんです。以前メリノウール30%程度の靴下を真夏に4.5日連続で履いても臭くなりませんでした。
たとえばヒートテックを毎日着替えるとすると、3〜5着は必要になりますかね(洗濯のペースにもよるけど)。一方でメリノウールTシャツなら毎日着るとしても2着あれば回せるだろうし、洗濯のタイミングを工夫すれば1着でも回せると思いました。メリノウールは乾くのも早いから夜に干せば朝には乾いてる。綿以上、化学繊維未満の早さ。
仮にヒートテックを1枚1000円で5枚買ったとしましょう。合計5000円です。メリノウールTシャツを1着10000円で買った場合、ヒートテックとの差額は5000円。
「ヒートテックにあと5000円足せば快適なメリノウールを着れるのか」と考えると、自然とお金を出す気になりました。
→年中使える(夏は1枚で、冬は下着に)
夏は涼しく、冬は暖かい性質を持つメリノウールは年中着れます(厚さにもよるだろうけど)。つまり春夏はヘインズのパックTを、秋冬はユニクロのヒートテックを…ってな具合に季節別に下着を買い足さなくても、メリノウールTシャツ1枚あれば乗り越えられる。実際にユニクロのメリノウールセーターで春夏秋冬越したことがあるので、自分のなかでは確信に近いものがある。
さらに下着デザインではなく1枚で着れるTシャツのデザインを選べば、春夏はメリノウールTシャツ1枚で過ごし、秋冬は保温下着として着用できるはずなので、捨てるところがないというか年中大活躍してくれる予感。ということで1万円出してもいいかなと。
ちなみにデザインはユニクロみたいにセーターじゃなくてあくまでTシャツらしいのがいい。ユニクロのセーターを夏に着てると「それって秋冬物?」って聞かれたことがあるので、夏でも違和感のないTシャツ。とりあえず長袖がいいな、春夏は紫外線対策になる上に暑けりゃ腕まくりできる、秋冬は半袖だと防寒が心配だ。年中使える厚さの長袖。
→破れたら修理すればいいや
メリノウールの弱点といえば耐久性。ユニクロのメリノウールセーターの上からリュック背負って登山したら背中が毛玉だらけになったことがあります。さらに虫食いなどの被害もあるから、ほかの素材のTシャツと比べると取り扱いが不安。
けど「破れたら修理すればいっか」と考えると気持ちがかなり楽になりました。最近はちょっと汚れただとか破れただとかで買い換えるのがすごい嫌で、使えるものはギリギリまで使い込みたい気持ちに変化してきたんですよね。なんで穴が空いたぐらいで買い替えにゃならんのだ。
バブアーのビデイルSLを買ってからかも、この気持ちの変化は。チャールズ皇太子でさえ継ぎ接ぎだらけのバブアーを着てるんだから、ちょっとの破れで処分するのがアホらしくてさ。なんてったって継ぎ接ぎだらけのバブアーがかっちょいいのよ。だからメリノウールTシャツが破れても修理して着続けると思います。
あと矛盾するようですがそこまで耐久性を心配してないのも本音。ユニクロのメリノウールセーターはいちばん古いもので5年以上着てますが、毛玉もほぼなくてまだまだ着れるほど綺麗なんですよ。洗濯機でしょっちゅう洗ってるし、下着にするために襟をハサミでぶった切ったり、けっこうめちゃくちゃに使ってるけど、まだまだ着れる。だから高価なメリノウールTシャツならユニクロと同等かそれ以上の耐久性があるんじゃないかと。
つまり虫食い対策をしてリュックを背負わなけりゃそこまでデリケートに扱わなくていいのかなと思ってます。登山や自転車でリュックを背負うときはベストを羽織ってメリノウールTシャツを保護するつもり。
期待と不安が入り混じってますね。
【続く】餅は餅屋。メリノウールはアイスブレーカー
ここまではメリノウールTシャツがほしくなった話と、メリノウールTシャツに1万円出してもいいと思えるようになるまでの話でした。
当初は「買うならメリノウールの下着かな」と思ってたんですが、途中で「下着じゃなくて1枚で着れるTシャツなら1年中使い倒せていいんじゃないか」と気づいたことをきっかけに、一気にメリノウールTシャツを購入する気になりました。
もし1万円のメリノウールTのシャツを買った場合、「5000円の下着と5000円のTシャツを買ったんだ」と脳内変換すると購入意欲がムクムクと。これなら1万円出せるなと。
そしてここからはメリノウールTシャツに求める条件と、各ブランドのメリノウールTシャツを比較した上でアイスブレーカーに決めた理由を書き残そうと思います。ただここまで4000字と長くなっちゃったので、続きは【後編】わざわざ高価なアイスブレーカーのメリノウールTシャツを買った理由〜餅は餅屋。メリノウールはアイスブレーカー。〜で。